マスク着用めぐる空の上の攻防 拒む乗客に悩む航空会社
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【5月27日 AFP】米国では、新型コロナウイルス対策としてのマスク着用をめぐり、各航空会社が機内の閉鎖空間でマスクを着けることを拒否する乗客への対応に苦労を強いられている。
AFPのカメラマン、ヨハネス・アイズリー(Johannes Eisele)氏は、実際にこの問題を体験した。
アイズリー氏は最近、アメリカン航空(American Airlines)を利用し、新型コロナウイルス感染拡大の中心となっていた米ニューヨークにあるラガーディア空港(LaGuardia Airport)からノースカロライナ州のシャーロット・ダグラス国際空港(Charlotte/Douglas International Airport)までの便に乗った。座席は、乗客2人に挟まれた真ん中で、その片側の1人だけがマスクをしていた。
アイズリー氏は次のように説明した。「マスクを持っていないのですかと隣の男性に尋ねると、『持っています』との答えだった。そこで『マスクを着けてもらえませんか』と頼んだ」
するとその男性は、「マスクをしない方がほっとするので着けないと答えた」。アイズリー氏が男性に、「あなたが着けてくれた方が、私はほっとするのですが」と言うと、「自分の不安をわざわざ他人に言う必要はない」と返してきたという。
その便は満員だったので、アイズリー氏は他の席に変わることもできなかった。
この出来事が起きたのは今月初めのことだ。この直後、米航空各社は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大を抑制するため、マスク着用の規則を導入した。免除されるのは一般的に、医療上または宗教上の理由がある人々、あるいはかなり幼少の子どもだけだ。
アメリカン航空やユナイテッド航空(United Airlines)によれば、搭乗時の規則は明快だ。マスクを着けていないと、搭乗できない。だが、問題が起きるのは離陸後だ。航空会社は、対立を避ける必要があれば、飛行中にマスクを外すことを大抵は許可するだろう。もちろん飲食時にはマスクを外すことが許される。