【5月19日 AFP】アルジェリアで産休の取得を却下され勤務していた妊娠中の医師が先週、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によって死亡したことが分かり、怒りの声が上がっている。17日には病院院長が解任される事態に発展した。

 死亡したワファ・ブゥディサ(Wafa Boudissa)医師(28)は妊娠8か月で、15日に亡くなるまで同国東部ラスエルウェド(Ras El Oued)の病院に勤務していた。

 同僚の一人は、ブゥディサ医師を支持し連帯を示すために、産休取得を許可するよう求める署名活動も行われていたと話した。

 アブドルラハマン・ベンブジド(Abderrahmane Benbouzid)保健・人口・医療改革相は16日、同医師の死について前代未聞の調査を命じ、保健省の監査官に調査の指揮を執るよう指示した。また事情筋によると、翌17日にはこの病院の院長を解任した。

 同事情筋によると、ブゥディサ医師の死について直接責任があると判断された関係者は、過失致死の罪に問われる可能性があるという。

 新型ウイルスのパンデミック(世界的な大流行)初期に布告されたアルジェリアの大統領令には、妊娠中の女性や子育て中の人は、特別休暇を取得して仕事を休むことができる対象者として明記されていた。(c)AFP