【5月18日 AFP】1週間前に無観客で開幕したサッカー韓国Kリーグで、強豪クラブのFCソウル(FC Seoul)が無人のスタンドにラブドールを思わせる人形を置いたことが、大きな批判を浴びている。クラブは「多大な心配」をかけたことを謝罪している。

 ホームのソウルワールドカップ競技場(Seoul World Cup Stadium)に光州FC(Gwangju FC)を迎えた17日の試合で、FCソウルは新型コロナウイルスの影響で無観客となっている客席を人形で埋めた。人形はソーシャル・ディスタンシング(対人距離の確保)の指針に従っていくつか席を空けて配置され、皆マスクを着けていた。

 ところがその中に、性具メーカーのロゴマークが入ったTシャツを着ているものや、同メーカーのラブドールを宣伝するプラカードを持ったものがあったため、スタンドの人形も同社のラブドールなのではないかという疑いが持たれ、ファンとメディアの猛烈な批判を集めている。人形は男性タイプもあったが、ほとんどが女性タイプだった。

 これを受けてFCソウルは、「ファンの皆さまに多大なご心配をおかけしたことを心より謝罪します」と発表。「当初から、人形がセックストイと一切関係ないことを確認しています」と強調した。

 クラブによれば、今回使ったマネキンのメーカーが以前、問題の性具メーカーに商品を卸していた時期があったため、着ているものに広告が入っていたのだというが、ファンは納得していない。

 あるインターネットユーザーは「いったい誰の発案だよ。世界に恥をさらした」と批判。「FCソウルはスタジアムを年齢指定ゾーンに変えた」と言うファンもいた。

 AFPはマネキンのメーカーと性具メーカーの両方にコメントを求めたが、現時点で返答はない。

 新型ウイルスの影響で開幕が先延ばしになっていたKリーグは、5月8日に2か月以上遅れて開幕したが、ファンの入場は禁止されている。そのため各クラブはパネルやプラカード、横断幕を使ってスタンドを埋める工夫をしている。

 試合は1-0でFCソウルが勝利した。(c)AFP