米CDC、新型コロナ関連の川崎病類似症状に警告 報告を医師らに要請
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【5月15日 AFP】米疾病対策センター(CDC)は14日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)と関連しているとみられる自己免疫症状が子どもたちに確認されており、死に至るケースもあるとして、症例を当局に報告するよう医師らに指示する警告を出した。川崎病に似た症状を伴うこの炎症性疾患は、ニューヨーク州で100件以上の症例が報告され、3人が死亡している。
4月末に英国で初めて報告されたこの疾患を、CDCは「小児多臓器系炎症性症候群(MIS-C)」と呼び、「症例基準を満たす21歳未満の患者を治療中か治療経験のある医療関係者は、疑わしい症例を地元自治体・州・準州の医療当局に報告しなければならない」と指示している。
症例基準としては、発熱、入院が必要となる重度の多臓器炎症、新型コロナウイルスに現在感染しているか最近感染したことがある、考えられる発症原因が他にない、などを挙げている。
CDCはまた、新型コロナウイルスに感染した子どもが死亡した症例の全てについて医師が「MIS-Cを考慮すべきだ」とも指摘した。ただ、MIS-Cが子どもに限定して発症する症状かどうかは不明だとしている。
ニューヨーク州当局は、この疾患を「小児発症性多系統炎症症候群(PMIS)」と称していた。
ニューヨークにあるコーエン小児医療センター(Cohen Children’s Medical Center)のサニル・スード(Sunil Sood)医師(小児科)は、この症状について、主に子どもが新型コロナウイルスに感染し、抗体ができてから4〜6週間後に表れるようだとAFPの取材に語っている。
この炎症性疾患をめぐっては他にも謎があり、まず欧州で、次いで北米でも症例が報告されたが、最初に新型コロナウイルス感染症が流行したアジアの国々では報告されていない。(c)AFP