【5月14日 AFP】英ロンドンで基礎疾患のない14歳の少年が、新型コロナウイルス感染に関連した「川崎病」に似た症状で死亡した。エバリーナ・ロンドン小児病院(Evelina London Children's Hospital)が13日、明らかにした。

 少年の治療に当たった医療チームが英医学誌ランセット(The Lancet)に今月7日付で発表していた短報論文によると、この少年は4月に同病院で10日間の期間に治療を受けた患者8人の一人だった。

 医療チームによると、少年は同院の集中治療室で6日間治療を受け、死亡後に行われた新型コロナウイルスの検査で陽性と判明した。8人のうち最年少は4歳で、死亡した14歳の少年を含む2人が肥満だった。6人がアフロカリビアン系で、5人が男の子だった。

 サラ・ハンナ(Sara Hanna)医長によると、この病院では同じ症状の子ども50人近くが治療を受け、うち約半数がこれまでに退院したという。

 川崎病は、主に5歳未満の子どもがかかる疾患で、発熱や発疹、リンパ節の腫れや毒素性ショック症候群(TSS)に似た症状が見られる。

 小児科の集中治療室で顧問医を務めるハンナ氏は、症状を訴えた子どもたちの「入院期間はかなり長かった」とし、3週間入院した例もあったと述べた。

 ハンナ氏は英PA通信(Press Association)に対し、これらの子どもたちの大半は、最も症状が重い患者が入る集中治療室ではなく、一般病棟と集中治療室の中間に当たる高度治療室に入っていると説明し、「一握りの子どもたちは集中治療室に入ったが、その子たちも今は最高レベルの支援を必要とする状況を脱している。その前にはもっと病状が重い子どもたちもいたので、状況は良くなっている」と述べた。(c)AFP