【2月4日 AFP】英国と欧州連合(EU)は3日、英国のEU離脱(ブレグジット、Brexit)後の貿易協議での譲歩の限界となる条件を互いに示した。双方は将来の関係について相反する展望を示しており、貿易協定をめぐる衝突の可能性が高まった。

 英国は先月末にEUを離脱。貿易協定をめぐる交渉は3月に始まる。ボリス・ジョンソン(Boris Johnson)英首相はロンドンの旧王立海軍大学(Old Royal Naval College)での演説で、英国最大の貿易相手であるEUと広範囲の貿易協定を締結することを望んでいると表明した一方で、EUの規則・規制から解放されることが優先事項となると警告した。

 ジョンソン氏は「EUとの合意に束縛される必要はない」と言明。「国境や移民、競争、補助金の規則、調達、データ保護について、完全な主権による主導権を取り戻す」と述べた。

 ジョンソン氏はさらに、英国はEUを離脱して「世界に出て行く」と表明。保護主義については世界経済成長のブレーキになるとして反対を示し、労働者や環境、消費者の保護などでEUの基準を「弱めない」としながらも、「EU規則の受け入れを要件とする自由貿易協定の必要はない」と主張した。

 一方、欧州委員会のミシェル・バルニエ(Michel Barnier)首席交渉官は、将来の深い関係構築を正式に提案したが、その条件として、英国は公正な貿易を保証しなければいけないとくぎを刺した。(c)AFP/Alice RITCHIE in London with Alex PIGMAN in Brussels