【11月27日 AFP】ドイツ東部ドレスデン(Dresden)のドレスデン城にある宝物館「緑の円天井(Green Vault)」で25日に発生した美術品の盗難事件は、近年最大規模だと報じられている。

 貴重な美術品の盗難事件は過去にも発生している。その一部を紹介する。

■ルーブル美術館のモナリザ(フランス)

 1911年8月21日、レオナルド・ダビンチ(Leonardo de Vinci)の傑作「モナリザ(Mona Lisa)」が、フランス・パリのルーブル美術館(Louvre Museum)から盗まれた。当初、詩人ギヨーム・アポリネール(Guillaume Apollinaire)やパブロ・ピカソ(Pablo Picasso)の名が容疑者として挙がったが、犯人は同美術館でケース設置の仕事をしたことがあるイタリア人のガラス工の男だった。男はモナリザをパリの自宅で保管していたが、1913年12月にイタリア・フィレンツェ(Florence)で売ろうとしたところをディーラーに怪しまれ、警察に通報された。男には禁錮7月の判決が言い渡された。

■モントリオール美術館(カナダ)

 1972年9月3日から4日の深夜にかけ、マシンガンとライフルで武装した3人組が、カナダのモントリオール美術館(Museum of Fine Arts in Montreal)に天窓から侵入。貴重な絵画18点と宝飾品など約40点、総額200万ドル(約2180万円)相当の展示品を盗み出した。この中には、レンブラント(Rembrandt)、ピーテル・ブリューゲル(Pieter Brueghel)、ピーテル・ルーベンス(Peter Paul Rubens)、カミーユ・コロー(Camille Corot)、ウジェーヌ・ドラクロワ(Eugene Delacroix)の作品も含まれていたが、いまだに発見されていない。

■イザベラ・スチュワート・ガードナー美術館(米国)

 1990年3月18日早朝、男2人が警察官のふりをして職員をだまし、米ボストン(Boston)のイザベラ・スチュワート・ガードナー美術館(Isabella Stewart Gardner Museum)に入り込み、エドガー・ドガ(Edgar Degas)やレンブラント、ヨハネス・フェルメール(Johannes Vermeer)、エドアール・マネ(Edouard Manet)ら巨匠の作品13点を持ち去った。被害総額は少なくとも50万ドル(約5400万円)に上ると推定される。2017年に懸賞金1000万ドル(約10億円)がかけられたが、今も発見には至っていない。