■ムンク美術館(ノルウェー)

 2004年8月22日、目出し帽をかぶり武装した2人組が白昼堂々とノルウェー・オスロにあるムンク美術館(Munch Museum)に押し入った。来場者があっけにとられる中、エドバルド・ムンク(Edvard Munch)の傑作「叫び(The Scream)」と「マドンナ(Madonna)」を盗み出した。犯行時間はわずか50秒だった。これら2作品は2年後、破損された状態で見つかったが、発見された時の状況は謎につつまれたままとなっている。男3人が逮捕され、禁錮刑が言い渡された。

■パリ市立近代美術館(フランス)

 2010年5月20日、ピカソ、アンリ・マティス(Henri Matisse)、ジョルジュ・ブラック(Georges Braque)、アメデオ・モディリアニ(Amedeo Modigliani)、フェルナン・レジェ(Fernand Leger)の作品計5点が盗まれた。被害総額は1億ユーロ(約120億円)を超えるとされている。

 犯人は当初、レジェの「燭台(しょくだい)のある静物(Still Life With Candlestick)」だけを盗むつもりだったが、警報装置の故障に乗じ他の4作品も持ち去った。盗まれた作品は今も見つかっていない。犯人は2017年、禁錮8年を言い渡された。

 フランスで起きた大規模な盗難事件としてはこの他、1976年1月にアビニョン教皇庁(Pope's Palace in Avignon)の博物館からピカソ作品118点が盗まれた事件がある。また、1985年11月には、パリのマルモッタンモネ美術館(Marmottan Monet Museum)から、「印象・日の出(Impression Sunrise)」などクロード・モネ(Claude Monet)の作品4点と、オーギュスト・ルノワール(Pierre-Auguste Renoir)の作品2点が盗まれた。これらの作品はすべて発見されている。(c)AFP