【11月8日 AFP】インド南部カルナタカ(Karnataka)州で、異なるカーストの男性と結婚し、罰を恐れて実家から逃げ出していた女性が、家族に会うために夫と共に地元の村に帰ったところ、自らの親族らに石を投げ付けられて2人とも死亡した。警察が7日、明らかにした。

 同じ村の出身で、いずれも29歳だった2人は、家族の反対を押し切って3年前に結婚。同州ベンガルール(Bangalore)などに転居し、2児をもうけていた。2人は先月、家族に会うため帰郷していた。

 地元警察官がAFPに明かしたところによると、「村人らが6日、夫婦を見つけ、女性側の男のきょうだいに知らせた。男は暴徒を集めて2人を襲い、石で殺害した」という。

 この警察官は「主犯3人の身元が特定された。その男と女性のおじも含まれている」と話している。インドの地方部で横行するいわゆる「名誉殺人」とみられている。

 名誉殺人は、厳格なカースト制度において一家の名誉を守るためとして、近親者や村の長老らが手を下すことが多い。

 国連(UN)の統計によると、世界中で毎年5000件発生する名誉殺人事件のうち、1000件がインド国内で発生しているとされる。

 同国の最高裁は2011年、名誉殺人で有罪とされた者には死刑を適用すべきとの判断を示している。(c)AFP