【8月13日 CNS】中国ネット大手の騰訊(テンセント、Tencent)が6日に発表した「ネット詐欺対策研究報告(2019年上半期)」によると、詐欺被害者の比率は男性が63%、女性が37%だった。男性の被害で最も突出していたのは「ハニートラップ(色仕掛け)詐欺」で、98%を占めていた。

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 報告書によると、「商取引」「副業」「交友」などの10種の詐欺のうち最も多かったのは商取引で、全体の39.67%を占めた。2位は副業の13.5%、3位は交友の11.8%だった。

 中国のネット商店の利用者は、2018年末で6億1000万人に達している。これはインターネット利用者総人数の73.6%に当たる。詐欺もまた、ネット商店のさまざまな利用者や場に応じた多くのパターンや話術を用いている。

 女性の被害者数が男性より多かったのは、「利益還元(ボーナス還元やキャッシュバックなど)」「無料プレゼント」「副業」の3種で、それぞれ53%、56%、69%を占めた。

 それ以外の7種はいずれも男性被害者が女性より多いが、最も突出していたのは「ハニートラップ」で、98%が男性だった。「交友」も男性が85%と2番目に多い。ただし「ハニートラップ」は、被害金額が200元(約3000円)から2000元(約3万円)と比較的少額で、だまされたことにすぐ気が付くが、恥ずかしさや緊張で騒ぎ立てたり警察に届けたりはしづらい。

 ネット詐欺被害者の年齢層を見ると、18歳から28歳までが54%に上っている。1990年以降生まれの世代はネット利用者の中心だが、社会経験は少なく、ネット詐欺に対する防御意識が不足していると思われ、詐欺被害率が最も多い年齢層となっている。

 学生か社会人になりたての18歳から21歳の若者層は、経済力に限界があり、「利益還元」「無料プレゼント」「格安品」「リクルート」「副業」などの種類の詐欺に遭いやすい。次に、一定の就業経験がある22歳から28歳の青年層は「ハニートラップ」「交友」「融資」などの詐欺の比率が高くなる。

 45歳以上の1人当たりの被害額は7000元(約10万4000円)で、他の年齢層を大きく上回る。この年齢層の被害者は、収入がミドルクラス、自らお金の使い方を決めることができる中高年世代の割合がさらに高い。(c)CNS/JCM/AFPBB News