【8月8日 CNS】中国・黒龍江省(Heilongjiang)ハルビン市(Harbin)依蘭県(Yilan)に7月29日午後9時、「小さな英雄」の帰還を出迎えるため、1000人以上が集まった。溺れた男の子を救助するため死亡した孫宝祥(Sun Baoxiang)君(14)に敬意を払うため、自主的に集まった人々だ。

 孫君は25日正午ごろ、友人たちと一緒に依蘭県の牡丹江の川岸で遊んでいる時、同様に遊びに来た男の子に会った。男の子が川底の深い方へ行こうとするのを見かけた孫君たちは「そこに渦がある。危ないから行かないで」と呼びかけたが、男の子は水の深いところに入って突然滑ってしまい、溺れそうになった。孫君と友人は、男の子を救助するため水に飛び込んで、男の子は無事に救助されたが、孫君の姿は見つからなかった。

 孫君は7月29日午後4時頃、ジャムス市(Jiamusi)大来鎮(Dalai)の松花江(Songhuajiang River)の河岸で発見され、その夜、故郷の依蘭県に無言で戻ることとなった。重々しい雰囲気の中、道路の両側は大勢の人であふれた。市民は「涙をもって勇敢な孫宝祥君の帰還を迎える」「小さな英雄・孫宝祥君の魂の里帰りを迎える」と書かれた横断幕を掲げた。

 孫君が他人を救うために犠牲となったことを知った親友の朱春玉(Zhu Chunyu)君は「孫君は同級生や友だちに何かあったら、すぐに飛んでくるタイプ。この事故で、彼をこの世を去ってしまったけれど『ありがとう』と言いたい」と涙ながらに話した。

 他人を救うために身をていした孫君のため、依蘭県は「見義勇為」(訳:正義のための勇敢な行動)の称号を与える方針だ。(c)CNS/JCM/AFPBB News