【7月5日 CNS】カンボジアで逮捕された国際インターネット詐欺グループの第1陣63人が6月26日、中国・重慶市(Chongqing)の空港に到着した。恋愛・婚活サイトで独身女性に接触し、自分が「高富帥」(高身長・金持ち・イケメン)であると装い、海外の自身の口座に現金を振り込ませていたという。

 重慶市警によると、容疑者らは「高富帥」と相手に信じ込ませた上で、「元本保証で損はしない」と誘って送金させていた。最初だけは対応があったものの、その後に被害者が大金を振り込むと、いろいろな理由をつけて返金しなかったり連絡を取れないようにして現金をだまし取っていたという。さらに、サイト上で次のターゲットを探し、詐欺を繰り返していた。

 重慶市に住む女性・孟さんは2018年3月、インターネットの恋愛・婚活サイトである男と知り合い、「海外の投資サイトの口座にお金を預けると高額の利子が得られる」というウソの誘いを信じ込み、男が勧めるサイトに合計50万元(約790万円)を振り込んだ。最初の数日は元金と利息を受け取ったが、その後は残り37万元(約580万円)が引き出せなくなり、男とも連絡が取れなくなったことから、詐欺に遭ったと気づき、警察に通報した。

 重慶市警は、全国の多くの省で起きた数十件の詐欺事件の犯行グループを特定。被害総額は500万元(約8000万円)に上った。犯行グループがカンボジアで活動していることが判明し、市警は公安省に報告。国際刑事協力の手続きに基づき、捜査チームをカンボジアに派遣し、カンボジア警察との合同捜査チームで犯行グループの組織構成、アジトの場所、メンバーの活動状況を突き止めた。

 合同捜査チームは6月10日、カンボジア・シアヌークビル(Sihanoukville)特別市にある犯行グループの3つのアジトを家宅捜索。68人を逮捕し、犯行に使われた銀行のキャッシュカード、パソコン、携帯電話などを押収した。17日にはさらに、首都プノンペンで逃走中の残りの5人を逮捕した。

 警察当局は今後も、インターネットを使った国際的詐欺グループの摘発を強化する方針。(c)CNS/JCM/AFPBB News