【7月4日 AFP】メキシコ政府は3日、移民の流入を防ぐため、グアテマラとの国境に流れるスチアテ川(Suchiate River)沿いに国家警備隊の「永続的な配備」を開始したと発表した。

 国家警備隊の指揮官、ビセンテ・アントニオ・エルナンデス(Vicente Antonio Hernandez)氏は報道陣に対し、スチアテ川沿いに加え、南部チアパス(Chiapas)州内61か所の国境横断地点にも国家警備隊を配備すると明らかにした。

 エルナンデス氏は、5月以降2万400人の移民が組織犯罪から「救出」され、人身売買業者30人が逮捕されたと述べた。またメキシコと米国の国境を流れるリオグランデ(Rio Grande)川から米国を目指して水死した父娘の事例を挙げ、「彼ら(移民)の流入を許容し続ければ、われわれは非常に無責任だということになるだろう」とコメントした。

 ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は5月、メキシコから越境して米国入りを目指す中米出身移民を阻止する対策を講じなければ、メキシコからの全輸入品を対象に追加関税を発動すると警告。1週間の厳しい交渉の末、米国とメキシコは6月7日に合意に達し、国境沿いへのメキシコ国家警備隊の大規模配備や、米国で難民認定申請が処理されるまで移民をメキシコ国内にとどめることが取り決められた。

 移民をめぐる取り決めは今のところ、トランプ氏の思い通りの結果を生み出しているように見える。ケビン・マカリーナン(Kevin McAleenan)国土安全保障長官代行は6月28日、南部の国境で6月に拘束される移民の数は25%減少するとの見通しを示した。(c)AFP