【4月30日 AFP】ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は29日、ロシア人とウクライナ人は「一つの民族」であり、「共通の国籍」を持つことによって利益を得ると発言した。

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 プーチン氏は25日、ウクライナ東部の分離派が2014年に樹立を宣言した「ドネツク(Donetsk)人民共和国」「ルガンスク(Lugansk)人民共和国」の住民を対象に、ロシア国籍の取得を簡易化する内容の大統領令に署名し、ウクライナ政府を激怒させたばかり。

 同氏は報道陣を前に笑みを浮かべながら、「私は何度もウクライナ人とロシア人は兄弟のような国民関係にあると述べてきた。さらに私は、両者は多様な文化的、言語的、歴史的特性を持った本質的に一つの民族だと考えている」と語った。

 さらにプーチン氏は、「ウクライナがロシア人に旅券(パスポート)を付与し、われわれがロシアでウクライナ人に旅券と国籍を付与すれば、いつかは必ず、予想される結果にたどり着く。つまり、皆が共通の国籍を持つようになる」と発言。「これは喜ばしいことだ」と述べた後、報道陣にウクライナ語で「さようなら」と言った。

 ウクライナでは今月行われた大統領選で、政治経験のないコメディアンのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)氏が圧勝した。これを受け観測筋は、ロシアとウクライナの緊張緩和を示す動きが生まれるかどうかに注目している。(c)AFP