【2月4日 AFP】フランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領が、自身の政策に対する抗議運動「ジレ・ジョーヌ(黄色いベスト、gilets jaunes)」への対応の一策として、今年5月に国民投票の実施を検討していると、仏紙が3日報じた。実施されればフランスでは14年ぶりの国民投票となる。

 仏週刊紙「ジュルナル・デュ・ディマンシュ(Le Journal du Dimanche)」は、国民投票ではマクロン氏が大統領選で公約に掲げた国民議会の議員数削減の是非が問われると伝えている。また、議員の任期に期数制限を設けてベテラン議員の影響力を抑制する提案の是非も問われるという。

 黄ベストデモへのマクロン氏の対応をめぐっては、欧州議会(European Parliament)選挙が行われる5月26日に国民投票を行うのではないかとの観測がある。

 マクロン氏は1月31日、国民投票の準備が進んでいるとする週刊紙カナール・アンシェネ(Le Canard Enchaine)の報道について問われ、「検討中の課題の一つだ」と答えた。

 発足から2年8か月のマクロン政権は、燃料税引き上げや生活苦への抗議に端を発する黄ベストデモの暴力化で最大の危機に直面している。昨年12月、マクロン氏は最低賃金の引き上げや増税の一部撤回などの対応策を発表。さらに今年に入り、政策の選択や政策課題について市民とじかに語り合う「国民討論会」を立ち上げ、国内各地で集会を開いている。

 国民投票は「国民討論会」を締めくくるとともに、直接民主制を求める黄ベストデモへの回答ともなるイベントと目されている。(c)AFP/Adam PLOWRIGHT