【11月21日 AFP】1998年のサッカーW杯フランス大会(1998 World Cup)で3位になったクロアチアに送られた貴重な銅メダルが、オークションに出品されていることが明らかになり、同国内では匿名出品者の身元に関する臆測で騒然としている。

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 20年前の同大会で独立後初めてサッカー史に名を残したクロアチアは、今夏のW杯ロシア大会(2018 World Cup)では決勝でフランスに敗れたものの、準優勝を飾り歴史を塗り替えた。

 オークションサイト「ザ・セールルーム(The Saleroom)」の商品説明では、「このメダルはたった30個しかありません。間違いなく貴重なもので、極上品です」とされている。

 オークション会社のアゴン・スポーツ・ワールド(Agon Sports World)は、メダルの落札価格を7500ユーロ(約96万円)と見積もっている。オークションは12月7日と8日に開催される予定となっている。

 フランスW杯でクロアチアを率いたミロスラブ・ブラジェビッチ(Miroslav Blazevic)氏は、「私の選手の中の誰かが売ろうとしているなんて信じられない。彼らは皆裕福だからね」とコメントしている。

 83歳の同氏は地元紙ベチュルニ・リスト(Vecernji List)に対し、「盗まれたものかもしれない。匿名のままでは済まされないだろう。こういったことは必ずばれるんだ」と話した。

 クロアチアサッカー連盟(HNS)はAFPの取材に対し、「すべてのメダルは個人個人が私的に所有しており、その扱いは彼らの判断によります」としている。

 また、HNSは「われわれは(現物を)見てはいません。また、評価のために私たちにそれを持ち込んだ人もいません」と、出品されているメダルの真贋(しんがん)については言及を避けた。

 HNSは29個のメダルはまだクロアチア国内にあるとしている。HNSの関係者は地元紙に対し、「これほど貴重なものを誰かが放棄することは信じ難い」と話している。

 クロアチア代表のチームドクターを務めるボリス・ネメッツ(Boris Nemec)氏は、「メダルを売るとすれば深刻なトラブルに巻き込まれているはずだ」と話しており、自身は「何に代えても」メダルを売ることは無いと断言した。

 一方、元代表選手のマリオ・スタニッチ(Mario Stanic)氏は、「人生におけるすべてのことがそうであるように、それは極めて個人的な問題だ」と話している。(c)AFP