【10月20日 東方新報】くしくも世界動物デー(World Animal Day)の4日、中国インターネット上である動物保護に関する論争が現実のものとなっていた。

 事の発端は、浙江大学(Zhejiang University)の学生で、学内の環境保護などの普及活動を目的とした非営利組織「緑之源協会」に所属する東さんは、国慶節期間に杭州市(Hangzhou)のショッピングモール内に水族館がオープンした話を聞きつけ、楽しみにしながら水族館に足を運んだ。

 ところが、施設内の管理体制が整っておらず、大部分の生き物の飼育環境などが劣悪だった。東さんは、ネット上で怒りをあらわにしたのである。

「水族館の目的は、教育的な普及なのか、それとも金稼ぎなのか?」

「訪れた子どもたちにどんな悪影響を与えるのだろうか?」

 東さんの怒りの投稿がきっかけで、多くのネットユーザーが参加し「人と自然」に関する討論が起こったのだ。

■カメに硬貨投げると幸せに?

 東さんがネット上で投稿した内容の多くは、「水族館は動物を大切にしていない」というものだ。東さんによると、ワニなど比較的大きな動物は、歩けないほどの狭い展示水槽に入れられ、ろ過装置が設置されていない濁った水槽には熱帯魚が入れられていたという。

 さらに、自分の甲羅の大きさとさほど変わらない円形の水槽に展示されたカメは、水族館側が公然と「縁起物」として来場客にコインを投げ入れるような張り紙を出している始末だった。

 東さんは、「多くの保護者が、教育的な目的で子どもを連れ水族館に来るかもしれない。しかしこれでは、むしろ子どもに悪影響を及ぼすだけだ」と話す。