【4月28日 AFP】毛皮の終わりの始まりなのだろうか?

 高級ブランドが次々と毛皮の使用をやめ、米サンフランシスコは毛皮の販売を禁止することを発表し、英議会は欧州連合(EU)からの離脱(ブレグジット、Brexit)後に毛皮の輸入の全面禁止を検討している。毛皮業界にとって厳しい動きだ。

 数十年に及ぶ激しい反毛皮キャンペーンの結果、動物愛護運動家らは勝利を感じ始めている。

 ファッションデザイナーのダナ・キャラン(Donna Karan)と自身の名を冠した「DKNY」は先月、毛皮の使用をやめる意向であることを発表。「グッチ(GUCCI)」、「ヴェルサーチ(Versace)」、「フルラ(FURLA)」、「マイケル・コース(MICHAEL KORS)」、「アルマーニ(Armani)、ヒューゴ ボス(HUGO BOSS)など、ここ数か月で、今後は毛皮を使用しないと宣言した他のブランドに追随した形だ。

 過激な反毛皮抗議活動で知られている動物愛護団体「動物の倫理的扱いを求める人々の会(PETA)」は、「2018年は、誰もが毛皮にさよならを告げる年だ」と宣言している。

 英国を拠点にする動物愛護団体「国際人道協会(HSI)」は、昨年10月にグッチが毛皮の使用廃止を表明してから流れが変わったと指摘している。また、先月にヴェルサーチのクリエイティブ・ディレクターであるドナテッラ・ヴェルサーチ(Donatella Versace)が、「ファッションのために動物を殺したくない。間違っている気がする」と発言したことも、毛皮使用廃止に追い風となった。

 HSIのキティ・ブロック(Kitty Block)会長は、「影響力のあるブランドが残酷な毛皮に背を向けたことで、いまだに毛皮を使っているフェンディ(Fendi)やバーバリー(Burberry)などの少数のデザイナーは、取り残され孤立しているように見えるようになった」と語った。

 フェンディを手掛けるカール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)は毛皮の使用を考え直す様子はなく、「人々が肉を食べ、レザーを身に付ける」限り毛皮を使い続けると述べている。