【3月22日 AFP】米カリフォルニア州サンフランシスコ市(San Francisco)は20日、動物の保護の一環として毛皮の販売を禁止することを発表した。これによって、同市は毛皮の販売を禁止する米国最大の都市となる。

 政治的にリベラルなカリフォルニアの監督委員会で、10-0で可決された。

 動物愛護団体「国際人道協会(Humane Society InternationalHSI)」はこの決定を支持し、「今回の決定は動物にとっても、思いやりのある消費者運動にとってもとても喜ばしく、歴史に残るものだ。世界中がこの決定について知ってくれることを願っている」とした。

 カリフォルニア州では既にウェストハリウッド(West Hollywood)とバークレー(Berkeley)での毛皮の販売が禁止されている。また、インドやブラジルのサンパウロ(Sao Paulo)では毛皮の輸入と販売が禁止されている、と「国際人道協会」はそのブログでつづっている。

 最近ではイタリアのファッションハウス「ヴェルサーチ(Versace)」と「フルラ(FURLA)」が、「国際人道協会」からの要請もあり、今後毛皮を使用しないと宣言。「アルマーニ(Armani)」、「カルバン・クライン(CALVIN KLEIN)」、「ヒューゴ ボス(HUGO BOSS)」、「ラルフ ローレン(Ralph Lauren)」、「マイケル・コース(MICHAEL KORS)」、「グッチ(GUCCI)」などに続く形となった。

 毛皮禁止条例を支援したサンフランシスコの監督者であるケイティ・タン(Katy Tang)氏は、毎年およそ5000万もの動物が「私たちがその毛皮をまといおしゃれに見せるためだけに、残酷な方法で殺害されています」と話す。「この条例が世界に向けて、強いメッセージを発信してくれると願っています」というコメントも地元紙サンフランシスコ・クロニクル(San Francisco Chronicle)に掲載された。

 一方で、1月1日より実施されるこの禁止条例について小売業者は不安を抱いている。「ここユニオン・スクエア(Union Square)では、皮は大規模なビジネスで、かなりの影響を受けるだろう」と「ユニゾン・スクエア・ビジネス改善地区(Unison Square Business Improvement District)」のカレン・フラッド(Karen Flood)事務局長はコメントした。(c)AFP