■次はレザー

 ビーガン(完全菜食主義)を推奨する運動も行っているPETAは、レザー業界にも狙いを定め、「次はあなたたちだ...」と警告している。

 フランスモード学院(IFM)のナタリー・ルエール(Nathalie Ruelle)氏はAFPに対し、PETAが言いたいのは、新たに毛皮の使用廃止を表明したブランドが「エキゾチックレザー(クロコダイル、リザード、ヘビなど)については何も述べていない」ということだと指摘した。

 菜食主義者で動物愛護活動にも携わっている英ファッションデザイナーのステラ・マッカートニー(Stella McCartney)は、毛皮、レザー、フェザーの使用を廃止し、有名デザイナーの中では動物の倫理的扱いの範囲を最も広げている。

 だが、ビーガンの人々はさらに、すべての動物性の素材の禁止を求めている。中には羊毛も禁止対象に含まれるべきとみる人々もいる。

 一方、毛皮業界は何もせずにこうした動きを受け入れようとしているわけではなく、動物愛護団体がソーシャルメディアなどで繰り広げる運動に対し、より強く反論の声を上げている。

 国際毛皮連盟(IFF)は、毛皮の使用廃止を決めたグッチを、「本当に世界をプラスチック製フェイクファーで窒息させたいのか」非難した。

 フランス毛皮連盟のフィリップ・ボーリュ(Philippe Beaulieu)氏は、毛皮の使用廃止はミレニアル世代を喜ばせるための「感情に訴えようとする」巧妙なマーケティング戦略だと主張し、さらに、フェイクファーは環境に真の危険をもたらすとし「毛皮の使用をやめたブランドは、石油産業の副産物であるプラスチックで作られた合成毛皮、およびそれに伴うすべての環境汚染や地球への害を促していることになる」と語った。一方、毛皮は自然のもので、より耐久性があり、出どころをたどることもできると、ボーリュ氏は述べた。