【10月6日 AFP】テニス、中国オープン(China Open 2017)に出場している世界ランク19位のニック・キリオス(Nick Kyrgios、オーストラリア)は、ハリケーン「マリア(Maria)」の直撃を受けた米自治領プエルトリコ(Puerto Rico)への救済金として、サービスエース1本につき50ドル(約5600円)を寄付すると表明した。

 22歳のキリオスは当初、2週間前のハリケーンで30人以上が亡くなり数千人が家を失うことになったプエルトリコを救うためとして、エースを記録するごとに10ドルを寄付する意向を示していた。しかし、かねて悪童と呼ばれることに不満を持っていた同選手は、自身のツイッター(Twitter)に、「いいかい? エース1本につき、50ドルに引き上げることにするよ。プエルトリコを救おう」と投稿し、気前の良さをアピールした。

 テニスの才能に恵まれながらも問題児として知られるキリオスは、4日に行われたミーシャ・ズベレフ(Mischa Zverev、ドイツ)との男子シングルス2回戦で11本のサービスエースを記録して勝利を収め、スティーブ・ダルシ(Steve Darcis、ベルギー)との準々決勝に進出した。

 女子の世界ランク68位でプエルトリコ出身のモニカ・プイグ(Monica Puig)もテニス界からの支援を呼び掛けており、元世界1位のマリア・シャラポワ(Maria Sharapova、ロシア)が一緒に現地を訪問する計画を立てている。

 すでに4日の3回戦でシモナ・ハレプ(Simona Halep、ルーマニア)に敗れているシャラポワは、「その場にいなくても、どれだけの人々が被害に遭っているか分かりますが、その気持ちまで理解することはできません」とコメントした。

 一方、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は議会に対し、290億ドル(約3兆2700億円)の支援金を承認するように要請している。(c)AFP