洞窟に残された先史時代の「手形」、その謎に迫る スペイン
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■シャーマニズムか警告か
開いた手の周囲に顔料を吹きつけて作製した型抜きによる手形であれ、岩肌に塗りつけた実際の手形であれ、人々がそこまでして壁に手を描いた理由は何だと考えられるか。
フランス人先史学者のジャン・クロッテ(Jean Clottes)氏は、精霊と交信するシャーマニズムの一種だった可能性があるとみている。
「いわゆる神聖な塗料を岩の表面に塗ることは、それを行う人物と岩面とのつながり、ひいては岩面の中に宿る力とのつながりを導くことである可能性が高い」と、クロッテ氏は説明している。
また、コジャド氏は、自分が目にした手形のいくつかを警告と解釈している。
「(スペイン北部の)ラ・ガルマ洞窟(La Garma Cave)には、死に至る危険性のある大きな縦穴のすぐ横に、複数の手によるパネル画がある」と話し、「これは間違いなく『行くな』と伝えるためにそうしたものだ」と指摘した。
現在、イタリアにある洞窟2か所の手形の記録作業が開始されている。(c)AFP/Marianne BARRIAUX