アカデミー賞ボイコットのイラン人監督作品が受賞 ロンドンで上映会
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【2月27日 AFP】英ロンドン(London)のトラファルガー広場(Trafalgar Square)で26日、第89回アカデミー賞(Academy Awards)の外国語映画賞を受賞したイランのアスガー・ファルハディ(Asghar Farhadi)監督の作品『セールスマン(The Salesman)』が上映され、大勢の映画ファンが集まった。ファルハディ監督は、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領の移民政策に抗議して授賞式のボイコットを表明していた。
米ロサンゼルス(Los Angeles)で授賞式が始まる数時間前、ロンドンの観光名所は巨大な野外映画館と化した。ファルハディ氏は、映画の上映前に流されたビデオメッセージを通じてコメントを発表。「宗教や国籍、文化が異なっていても、私たちは皆、世界市民です。私はこのグローバルな家族の一員であることを非常に誇りに思います。皆さんと一緒にその場に居られず申し訳ありませんが、私の心はそこにあります」と語った。
トラファルガー広場でAFPの取材に応じたロンドンのサディク・カーン(Sadiq Khan)市長は、米国がイランなどイスラム諸国7か国出身者に対する入国禁止令を出したことについて「恥ずべきことだ」とした上で、「こういうときだからこそ私は人々を歓迎したい」「コミュニティーの分断を図ろうとする動きがあるときに、私は人々を団結させたい」と述べた。
ファルハディ監督は先月、米政府がイランからの入国を特別に認める許可を出したとしても、アカデミー賞授賞式には出席しないと発表。米国の裁判所が入国禁止令を差し止める判断を下した後も、その意向を撤回することはなかった。(c)AFP/Maureen COFFLARD