【1月27日 AFP】今年の米アカデミー賞(Academy Awards)外国語映画賞部門の候補作に出演したイラン人女優タラネ・アリシュスティ(Taraneh Alidoosti)さん(33)が26日、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領が検討しているとされるイスラム教徒の移民に対する入国制限は「人種差別」だと抗議し、同賞の授賞式をボイコットする意向を明らかにした。

 アリシュスティさんは簡易ブログのツイッター(Twitter)に、「トランプ氏によるイラン人へのビザ(査証)発給禁止は人種差別だ。文化行事(への出席者)にも適用されるのかどうかにかかわらず、私はこれに抗議して2017年アカデミー賞(授賞式)に出席しない」と投稿した。

 トランプ氏はイランをはじめイスラム圏7か国からの渡航者に対して、ビザの発給を30日間停止する方針と伝えられる。

 トランプ氏は25日、米ABCニュース(ABC News)に、この計画は「イスラム教徒に対する(入国)禁止令」ではなく、「甚大なテロの脅威」がある諸国を対象とした措置だと主張している。

 アリシュスティさんが主演したアスガー・ファルハディ(Asghar Farhadi)監督のイラン映画『セールスマン(The Salesman)』は、来月発表されるアカデミー賞の外国語映画賞部門の最終候補に選出されている。ファルハディ監督は2012年に『別離(A Separation)』で外国語映画賞を受賞している。(c)AFP