【1月9日 AFP】ロシアがサイバー攻撃によって米大統領選に干渉したとされる問題に関連し、バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は8日、サイバー攻撃や偽情報が民主主義に与える影響を「過小評価していた」と認めた。米ABCテレビの番組で語った。一方、2期8年の大統領任期を通じて最も難しかった決断として、アフガニスタンでの大規模な増派を挙げた。

 ロシアによる米大統領選への干渉をめぐっては、米情報機関が6日、民主党候補だったヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)前国務長官を妨害し、共和党のドナルド・トランプ(Donald Trump)氏を後押しすることを狙って、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領がハッキングやリーク、メディア工作を指示したと結論づけた報告書を公表していた。

 同日収録されたABCテレビの日曜報道番組「ディス・ウイーク(This Week)」のインタビューでオバマ大統領は、自分はロシアの術中にははまらなかったと断りながらも「この新たな情報化時代において、サイバー攻撃による偽情報などがわれわれの開かれた社会、開かれたシステムにどれだけ衝撃を及ぼし得るか、われわれの民主主義の実践に巧妙に入り込み得るかを過小評価していたと思う。しかもこれらは加速的に進行しているとみている」と述べた。

 一方「最も難しかった決断は、大統領任期の初め頃にアフガニスタンで3万人の増派を命じた時だった」と振り返った。

 オバマ大統領は今月20日をもって退任する。(c)AFP/Carlos HAMANN