【12月16日 AFP】交流サイト(SNS)最大手フェイスブック(Facebook)は15日、ユーザーに虚偽ニュースを通報してもらうためのツールを導入すると発表した。今年の米大統領選に影響を与えたともされるデマの拡散に歯止めをかけることが目的。

 同社のアダム・モセリ(Adam Mosseri)副社長(ニュースフィード製品担当)はブログ上に、「われわれは人々に発言権を与えることの意義を信じ、自分たちが真実の裁定者にはなりえないと考えている。だからこそ、この問題には慎重にアプローチしている」とつづった。

 その上で、「われわれは対策の焦点を、最悪の中の最悪のもの、つまりスパム業者が私利のために拡散した明らかなデマに合わせると同時に、われわれのコミュニティーと第三者機関の両方と協力するよう専心してきた」と述べた。

 フェイスブックは、捏造(ねつぞう)が疑われるニュースを見つけた場合、ユーザーがクリックして報告できるシステムの試験運用を開始するとしている。

 さらに、メディア専門教育研究機関ポインター・インスティチュート(Poynter Institute)が掲げる事実検証基準に従う国際的な事実検証機関と連携していく方針も明らかにした。

 モセリ氏によると、「あるニュースについて、事実検証機関が虚偽と認定すれば、真偽に疑問があることを示すフラグが付けられ、さらにその理由を説明する記事へのリンクも提示する」という。また「真偽が疑われるニュースは、ニュースフィードの下位に表示することになるかもしれない」としている。

 フェイスブックに対しては、虚偽ニュースのまん延阻止策を怠ったという批判が集まっている。一部の人々からは、こうした虚偽ニュースによって米大統領選の民主党候補ヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)前国務長官に関する根拠のない否定的なニュースが拡散し、共和党候補のドナルド・トランプ(Donald Trump)氏が勝利を収める一助となったという指摘も上がっている。(c)AFP