【10月11日 AFP】米著名投資家で富豪のウォーレン・バフェット(Warren Buffett)氏は10日、自身の納税記録を公表し、米大統領選の共和党候補ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏も自分と同じように公開すべきだと促した。トランプ氏は前日、自身が行った巨額の損失申告による納税回避はバフェット氏もしてきたことだと主張していた。

 米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)は今月、トランプ氏の納税記録を公開。それによると同氏は1995年に9億1600万ドル(約950億円)の損失を申告し、その後最長で18年にわたって連邦税の納付を免除されていたという。

 9日に行われた大統領選の第2回討論会でトランプ氏はこの問題に関し、損失を納税回避に利用したことを認め、「そうするのは当然だ。当然なんだ」と述べ、同じようなことならバフェット氏だってやってきたと話していた。

 これに対し、民主党候補のヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)前国務長官の支持を表明しているバフェット氏は、トランプ氏の指摘は事実とは異なると反論。「連邦税なら1944年から毎年納めている。13歳の時からだ。(ただ出だしは不調で、同年の納税額はたった7ドルだったが)」と述べた。

「私は72年分の確定申告書の写しを持っている。繰り越し控除を行ったことは一度もない」と断言した。

 さらにバフェット氏は昨年の総資産を1160万ドル(約12億円)と申告し、慈善活動と州税で550万ドル(約5億7000万円)の控除を受け、180万ドル(約1億8700万円)の連邦税を支払ったと明かした。

 さらにバフェット氏は、慈善活動に昨年29億ドル(約3000億円)近くを寄付したが、控除を受けられたのは350万ドル(約3億6300万円)分だけだったとしている。(c)AFP