【2月28日 AFP】米著名投資家ウォーレン・バフェット(Warren Buffett)氏(85)は27日、米大統領選の指名獲得争いで展開されている米国の先行きに悲観的な主張に言及し、米国の状況はかつてないほど良好だとの考えを示した。

 バフェット氏は同日、自身の投資会社バークシャー・ハサウェイ(Berkshire Hathaway)の株主に送った書簡を公開。書簡の中で大統領選に言及し、選挙戦における「負の声高な主張」を非難。「今年は選挙の年なので、立候補者たちはこの国の問題について語るのを止めようとしない。言うまでもなく、こうした問題を解決できるのは自分のみだと主張している」と述べた。

 同氏はまた、「現在多くの米国人が、子どもたちは将来、自分たちのような良い生活を送れないと考えている。ただ、こうした見方は完全に間違いだ」と明言し、今日米国に生まれることは「史上最も幸運」なことだと付け加えた。

 書簡は「過去240年間、米国に逆張りの投資をするのはひどい誤りだった。現在も(逆張り投資を)始める時期ではない」「商業とイノベーションという米国の黄金のガチョウはより大きな卵をより多く産み続けるだろう」としている。

 不動産王ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏の選挙スローガン「偉大なアメリカを取り戻す」が示すように、米大統領選で共和党の指名を争っている候補者らは超大国である米国の地位が低下しつつあるとの認識を示す傾向が強い。

 米経済誌フォーブス(Forbes)による2015年のランキングで世界3位の富豪とされたバフェット氏は、民主党の候補者指名獲得を目指すヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)前国務長官を支持すると公言している。

 今回の書簡の中で、バフェット氏は長生きの秘訣(ひけつ)も披露。バークシャー・ハサウェイの年次株主総会の最中には「米ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)のラインマンが1週間に必要とする熱量」を満たすコーラを飲んだり菓子を食べたりするかもしれないと冗談交じりに述べた。その上で、「健康でいたいなら、本当に空腹な時にはニンジンやブロッコリーを食べるのが一番だ」と付け加えた。(c)AFP