【8月20日 AFP】フランス南部のニース(Nice)で先月起きた、革命記念日を記念する花火の見物客にトラックが突っ込んだ事件で、重傷を負った男性1人が19日までに死亡し、犠牲者の合計は86人となった。仏政府が、発表した。妻と2人の子供が後に残されたという。

 昨年11月、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」によって130人が犠牲になった首都パリ(Paris)の同時襲撃事件から8か月後に起きたニースの事件。モハメド・ラフエジブフレル(Mohamed Lahouaiej-Bouhlel)容疑者は、花火から帰ろうとしていた群衆にトラックで突っ込んだ。死者86人の他、400人以上が負傷した。

 ISは自分たちの「戦士」の1人が攻撃を実行したと主張しているが、捜査当局は、ラフエジブフレル容疑者がISに従っていた証拠は見つかっておらず、容疑者は「聖戦」に魅了され数か月をかけて犯行を計画したと述べている。

■ニースでもイスラム教徒の女性向け水着禁止

 一方、ニース市当局は19日、イスラム教徒の女性向けの全身を覆う水着「ブルキニ」の着用を禁止した。同市は、既に似た禁止措置を取っている南部コートダジュール(French Riviera、フレンチリビエラ)の他のビーチと同様の文言で「フランスと祈りの場所がテロ攻撃の標的となっているときに、ある宗教への信仰が一目瞭然」であるブルキニを禁止すると説明した。また禁止に関する文言は、トラック突入事件に加え、北部ルーアン(Rouen)でカトリック教会の司祭が殺害された事件も踏まえたものとなっている。

 フランスではこれまでに、国際映画祭が開かれるカンヌ(Cannes)を含む南東部の15都市など、各地でブルキニ禁止が相次いでいる。カンヌでは先日、ブルキニを着用していた女性3人がそれぞれ38ユーロ(約3800円)の罰金を科された。(c)AFP