【7月22日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)で議論を呼んでいる無線通信の規則について、国際自動車連盟(FIA)が21日、規則の抜け穴をふさぐ新たなガイドラインを発表した。新ガイドラインは、今週末に行われる16F1第11戦ハンガリーGP(Hungarian Grand Prix 2016)から適用される。

 この件については、メルセデスAMG(Mercedes AMG)のニコ・ロズベルグ(Nico Rosberg)が10日の英国GP(British Grand Prix 2016)決勝で、チームとの無線での会話を理由にペナルティーを科されたことをきっかけに議論となっていた。

 ロズベルグは、ギアボックスの問題についてチームから無線でサポートを受けたとして、完走後に10秒のペナルティーを科されて2位から3位に降格している。メルセデスは異議を申し立てたが、後に撤回した。

 FIAは、こうした事態の再発を回避、防止すべく規則を修正。新たなガイドラインの下では、マシンに致命的な欠陥が生じた可能性があるとチームから通信が入った場合、ドライバーは必ずピットインして修理を行わなければならない。

 これまでの規則については、こうした指示を利用してマシンの性能を高められる可能性や、ピットインして大きくタイムをロスするくらいなら、違反のペナルティーを科されることを覚悟で、無線で指示を受けながら問題を修正した方が順位への影響が小さいと判断するチームが存在する可能性が指摘されていた。

 新たなガイドラインには、認められるのは「問題が発生したことを示唆する」メッセージで、さらに「この種のメッセージの中には、ピットに入って問題を修正する、もしくは棄権するよう指示する言葉が含まれていなければならず、ドライバーはこれに逆らってはならない」と記されている。

 マシンの損傷に関する規則も厳格化され、チームからドライバーへ伝えていいのは「車体」の損傷に関する情報のみに限定された。

 また、無線通信の制限は、ピットレーンでは適用されないことになった。つまり、ピットガレージへ向かいながらチームがドライバーと連絡を取ることは可能となった。これまでの規則では、制限はピットレーンにも適用されていた。(c)AFP