【6月3日 AFP】雨で日程が大幅に遅れている全仏オープンテニス(French Open 2016)は、3日に予定されている準決勝で、8000席のチケット代をわずか20ユーロ(約2400円)に設定した。王者ノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)の試合も、格安で観戦できることになる。

 全仏では通常、2週目の金曜日に行われる試合は、男子シングルス準決勝のみだが、主催者は今大会のスケジュールの遅れを取り戻すため、男女シングルス準決勝のそれぞれ2試合を、同じ日にコート・フィリップ・シャトリエ(Court Philippe-Chatrier)、コート・スザンヌ・ランラン(Court Suzanne Lenglen)で行うことに決めた。

 破格のチケットを販売する背景には、コート・スザンヌ・ランランで行われた2日の試合で、観客席が3分の1しか埋まらなかったことがある。これには気温12度の肌寒い天候が影響したとみられており、3日の天気も残念ながら、同じように初秋のような曇り空が予想されている。

 空席が目立つ中、2日の男子シングルスでは新星ドミニク・ティエム(Dominic Thiem、オーストリア)がダビド・ゴフィン(David Goffin、ベルギー)を破り、四大大会(グランドスラム)で初の4強入りを果たした。女子シングルスでは、キキ・ベルテンス(Kiki Bertens、オランダ)が格上のティメア・バシンスキー(Timea Bacsinszky、スイス)を下して、初めて準決勝に駒を進めた。

 8000席分の格安チケットが用意されるコート・スザンヌ・ランランでは、ジョコビッチ対ティエムの一戦に先がけ、女子シングルスの準決勝が予定され、ガルビネ・ムグルサ(Garbine Muguruza、スペイン)とサマンサ・ストーサー(Samantha Stosur、オーストラリア)が激突する。

 一方、決勝は通常通りコート・フィリップ・シャトリエで行われ、4日に女子シングルス、5日に男子シングルスが予定されている。

 女子シングルスでは、セレーナ・ウィリアムス(Serena Williams、米国)がグランドスラムのシングルスで22度目の優勝を飾り、オープン化以降歴代1位の記録に並ぶ可能性がある決勝のチケットに、500ユーロ(約6万円)を超える値がついている。一方、ジョコビッチが初の全仏制覇と生涯グランドスラムを達成する可能性がある男子シングルス決勝では、その倍以上の金額が設定された。(c)AFP/Dave JAMES