【5月31日 AFP】全仏オープンテニス(French Open 2016)では30日、大雨で16年ぶりに全試合が順延となった。大会責任者は、四大大会(グランドスラム)で唯一屋根がないローラン・ギャロス・スタジアム(Stade Roland Garros)に不満を募らせている。

 現地の予報によれば、激しい降雨は火曜日(31日)まで続き、晴れるのは水曜日(6月1日)とされているため、問題はさらに拡大する可能性がある。

 30日の順延で、フランステニス連盟(FFT)は、3万枚に上るチケットの払い戻しに応じなければならなくなった。

 この事態を受けて、ギー・フォルジェ(Guy Forget)大会ディレクターは、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon)、全米オープン(US Open Tennis Championships)、全豪オープン(Australian Open Tennis Tournament)がすべて屋根つきのスタジアムを備えているのに対して、全仏は立ち遅れていると警告した。

 しかし、ローラン・ギャロスのセンターコートであるコート・フィリップ・シャトリエ(Court Philippe-Chatrier)に屋根が設置されるのは、早くても2020年になるとされている。

 男子テニスの国別対抗戦デビスカップ(Davis Cup)で優勝経験があるフォルジェ氏は、「非常に歯がゆい思いだ。これで屋根が必要なこと、設置しなけばならないことが立証された」とコメントすると、「このような状態が続いてはならない。2020年までに必ず屋根が設置されることを期待する。誰にも止められない流れだということを、周囲は認識すべきだ。世界は常に移り変わっている。屋根については、15年前から話していた」と主張した。

 予定されていたベスト16の8試合に加え、29日に順延となっていた2試合も31日に移動。30日には、男子シングルス準々決勝の2試合も行われることになっており、第2シードのアンディ・マレー(Andy Murray、英国)と第9シードのリシャール・ガスケ(Richard Gasquet、フランス)による試合と、第3シードのスタン・ワウリンカ(Stan Wawrinka、スイス)とアルベルト・ラモス・ビノラス(Albert Ramos-Vinolas、スペイン)による対戦は当初、午前11時に始まる予定だったが、午後2時前に中止が発表された。

 全仏で最後に全試合が順延となったのは、くしくも、16年前の5月30日だった。(c)AFP/Dave JAMES