【6月3日 AFP】全仏オープンテニス(French Open 2016)は2日、男子シングルス準々決勝が行われ、初優勝を目指す第1シードのノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)は、四大大会(グランドスラム)で30度目の4強入りを果たしたものの、あわや「失格」の危機に直面した。

 ジョコビッチは、第3セットの第2ゲームでブレークチャンスを逃すと、いら立ちのあまり、ラケットをコートにたたきつけようとした。しかし、ラケットが手からすっぽ抜け、線審の方へ飛んでいった。

 幸運にもラケットは線審に直撃することなく、後方の壁にぶつかったが、もし当たっていたら、ジョコビッチはコードバイオレーションで失格になっていた。

 ジョコビッチは、すぐさまチェアアンパイアに駆け寄り謝罪すると、ラケットアビューズ(乱暴な取り扱い)に関する警告を受け、試合を続行した。この後、ジョコビッチは6-3、7-5、6-3で第7シードのトマス・ベルディハ(Tomas Berdych、チェコ)にストレート勝ちした。

 試合後にジョコビッチは、失格を免れたことは「ラッキーだった」と認めると、「あの場面に出くわした人たち、そして僕のラケットでけがしそうになった人たちには謝罪した」とコメントした。

「悪気はなかったんだ。不運にも手から離れ、幸運にもけが人がいなかった。それしか言えないね」

 ジョコビッチは、準決勝で若手のドミニク・ティエム(Dominic Thiem、オーストリア)と対戦する。(c)AFP/Dave JAMES