【6月12日 AFP】その写真は古ぼけている上に、画面の中は分厚い土ぼこりに覆われているので、サッカーボールに群がる少年たちの姿を判別するのが精いっぱいだ。しかしその中に、スターダムを夢見ていたロベルト・レワンドフスキ(Robert Lewandowski)少年はいる。

「真ん中の一番小さい子、それがロベルトです」。ポーランドの少年サッカークラブ、ヴァルソヴィア(UKS Varsovia Warszawa)でレワンドフスキを指導したクシシュトフ・シコルスキ(Krzysztof Sikorski)さんは語る。

 現在ではバイエルン・ミュンヘン(Bayern Munich)でプレーし、ポーランド代表のエースとして欧州選手権2016(UEFA Euro 2016)に臨むレワンドフスキは、このクラブで「レワンゴールスキ」と称される点取り屋としてのキャリアを歩み始めた。

 17歳までレワンドフスキのコーチを務めたシコルスキさんは、1997年のアルバムを取り出し、サッカーチームに入ったばかりのレワンドフスキの写真を誇らしそうに見せてくれる。

「あれはちょうど、1988年生まれの子を対象にしたクラスを開講したばかりのときでした。ロベルトの親父さんは、ポロニア・ワルシャワ(Polonia Warsaw)のファンだったのです。通りの向かいの、われわれのライバルクラブですよ。ただその年、ポロニアは88年生まれの子を取っていませんでした。だから私たちのところへ来て、息子に最初の練習を受けさせたのです」

「ロベルトは痩せっぽちで背も低くて、クラスで一番小さな子でしたが、ハートは誰よりも大きくて、才能もぴか一でした。誰よりも賢かった。それはもう一目瞭然でした」