【11月27日 AFP】靴ひもも満足に結べない若手選手が、次々とビッグクラブに引き抜かれるこの時代に、イングランド・プレミアリーグのレスター・シティ(Leicester City)で頭角を現したジェイミー・バーディー(Jamie Vardy)のサクセスストーリーは、珍しいもののようにみえる。

 5年前、7部のストックスブリッジ・パーク・スティールズ(Stocksbridge Park Steels FC)に所属しながら、パートタイマーとして副木(ふくぼく、骨折箇所を固定する添え木)の製造工場で働いていたバーディー。

 そんな彼も、今ではイングランド代表に名を連ね、リーグ戦でここまで最多の13得点を記録。セルヒオ・アグエロ(Sergio Aguero)、ウェイン・ルーニー(Wayne Rooney)、ジエゴ・コスタ(Diego da Silva Costa)ら名だたる選手を抜いて得点ランキングのトップに躍り出ると、チームも首位に浮上している。

 レスターの元主将スティーブ・ウォルシュ(Steve Walsh)氏は、AFPに対し「彼はやる気ある若手選手の模範だ」と語った。

「レスターはざわついている。すべてジェイミー・バーディーと、彼の記録のおかげだよ」

 バーディーは、28日のマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)戦でネットを揺らすことができれば、11試合連続得点というプレミア新記録を樹立する。

 チームのクラウディオ・ラニエリ(Claudio Ranieri)監督は、イタリア・セリエAのフィオレンティーナ(Fiorentina)を指揮していた時代に、ガブリエル・バティストゥータ(Gabriel Batistuta)氏が11試合連続で得点するのを目撃しており、バーディーがこの記憶をよみがえらせたと語っていた。

 しかし、アルゼンチン代表で歴代最多得点を誇る選手と、自身が比較対象になるとは、十数年前のバーディーには思いもよらなかっただろう。