■10代でプロの道へ

 ベンダーが、年齢に似つかわしくない落ち着きを備えているとすれば、それは彼がすでに、プロとしての経験を何年も積んでいるからだろう。

 ボスニア・ヘルツェゴビナに生まれたベンダーは、幼くしてその才能を見いだされると、隣国クロアチアに移り住み、12歳で同国のバスケットボールアカデミーに入学した。

 そして15歳のとき、クロアチアで初めてプロとしてコートに立ち、16歳でマッカビと契約を結んだ。イスラエルでは、まず2部で1年間の武者修行を積み、今季からは1部でプレーしている。

 シーズン中は家族と離れてイスラエルで暮らし、オフに帰省するという生活を送っているが、イスラエルでは、チームスタッフのニコラ・ブヤシッチ(Nikola Vujcic)氏がベンダーを温かく支えている。

 クロアチア出身のブヤシッチ氏は、ベンダーが育ったアカデミーの運営者で、マッカビの元スター選手。また、チームを率いるザン・タバック(Zan Tabak)ヘッドコーチ(HC)もクロアチアの出身だ。

 ブヤシッチ氏は、ベンダーについて、「家族と5000キロ離れて暮らすのは楽ではないでしょうが、私がここにいますし、私たちは家族のようなものです」と話している。

 自身の兄が、米メリーランド大学(University of Maryland)のバスケットボールチームでプレーしているというベンダーは、16歳の若さでイスラエルへ移り、プロ生活をスタートさせるのは「少し怖かった」と話している。