【2月13日 AFP】オーストリアの作曲家ウォルフガング・アマデウス・モーツァルト(Wolfgang Amadeus Mozart)と、そのライバルでモーツァルトを毒殺したとの疑いもあるイタリア人作曲家アントニオ・サリエリ(Antonio Salieri)の、長らく行方不明だった共作曲が、チェコの博物館で発見された。同博物館が12日、明かした。

 首都プラハ(Prague)にあるチェコ国立博物館の広報担当者はAFPの取材に対し、「これは本当に価値ある作品で…すでに失われたものと長い間、考えられていた」と話した。職員が所蔵コレクションの中から発見したという。

 このモーツァルトとサリエリの共作曲は「ロレンツォ・ダ・ポンテ(Lorenzo Da Ponte)の(オペラの)台本を曲にした作品」で、16日にプラハで予定されている記者会見で演奏されるかもしれないと語った。

 サリエリはモーツァルトの才能をねたみ、モーツァルトを毒殺した疑いがあるという説が歴史家らによって語られてきたことを踏まえると、今回の発見は特に興味深い。ロシアの詩人アレクサンドル・プーシキン(Alexander Pushkin)の19世紀の詩劇「モーツァルトとサリエリ(Mozart and Salieri)」に初めて登場したサリエリのモーツァルト毒殺の「うわさ」はその後も舞台化された他、1984年には『アマデウス(Amadeus)』で映画化もされた。(c)AFP