■火付け役はパク・セリ

 韓国勢の台頭は、1998年に20歳の新人ながら全米女子オープン(US Women's Open)を制したパク・セリ(Se Ri Pak)から始まった。

 最も歴史が長いメジャー大会を制する初の韓国人(アジア勢でも初)となったパク・セリは、韓国におけるゴルフブームの火付け役となった。

 パク・セリが、1998年にLPGAツアーで新人賞を受賞してから、田仁智(In Gee Chun、チョン・インジ)が2015年の全米女子オープン(US Women's Open 2015)を制するまで、通算7人の韓国人選手が同大会を制している。

 10月のハナバンク選手権(LPGA KEB Hana Bank Championship 2015)で韓国を訪れたベテランのジュリ・インクスター(Juli Inkster、米国)は、「勤勉さ、基礎、テクニックが非常に優れている」と韓国勢の強さを評し、「韓国で好きなところは、人々や選手が女子ゴルフに対して大変な敬意を払ってくれること」とコメントした。

 1990年代に数百人だったプロ選手、セミプロ、ティーチングプロは、現在2000人以上にまで増えており、KLPGAツアーは、選手のレベルに合わせて3部構成となっている。

 ジャンプツアー(3部)は16大会、ドリームツアー(2部)は20大会、そして1部ツアーは29大会を設けており、1996年、20億ウォンに過ぎなかった1部ツアーの賞金総額は、男子ツアーの約2倍に値する185億ウォン(約19億5000万円)にまで膨れ上がっている。

 姜氏は、「下部ツアーは、選手がスキルアップを図り、早い段階から将来に向けて実益を兼ねた経験をする良い機会になっています」と言う。

 このシステムのおかげで、選手たちは自信を失うことなく競技に取り組めるようだ。

 2015年の韓国ツアーで3勝を挙げている朴城ヒョン(Sung Hyun Park)は、「KLPGAのトップ選手は、LPGAツアーでいつでも優勝できる実力を持っています」と表現する。