【10月21日 AFP】ラグビーW杯イングランド大会(Rugby World Cup 2015)で、ワラビーズ(Wallabies、オーストラリア代表の愛称)が4強入りを決めた準々決勝のスコットランド戦に誤審があったというワールドラグビー(World Rugby)の発表を受けて、オーストラリアのマイケル・チェイカ(Michael Cheika)ヘッドコーチ(HC)らは、声を荒らげてこれを強く非難した。

 チェイカHCは、ワールドラグビーがクレイグ・ジュベール(Craig Joubert)主審の失敗を公にしたことで、非難の矛先を作ってしまったと警告している。

「クレイグ・ジュベールに心から同情する。本当に不公平だ。他の審判は、こんな仕打ちを受けたことがないし、彼は良い審判だ」

「あの判断を公にした理由が分からない。われわれはゲームの中で正しい規律を保っている。でも、この一件で他のチームが再検討リストを作り始めているのでは?サモアは、スコットランドがウイニングトライを挙げる前のノックオンに疑問を抱えているかもしれない」

「各チームが、腕の長さほどもあるリストを用意してくるはずだ」

 18日の準々決勝終了後、スコットランドファンのやじやブーイングを受け、会場を走り去ったジュベール主審については、ラグビー界の各方面からも擁護の声があがっている。

 ワールドラグビーのブレット・ゴスパー(Brett Gosper)最高責任者は、ジュベール主審に対する批判の中には「度を超している」ものもあると慎重な姿勢だが、元オーストラリア代表の名選手デビッド・キャンピージ(David Campese)氏は、ジュベール氏の誤審に関する発表をしたワールドラグビーの担当者は「消えるべき」だとしている。

 ジュベール主審は、問題の場面でスコットランドにオフサイドの判定を下し、オーストラリアにペナルティーを与えると、バーナード・フォーリー(Bernard Foley)がキックを決めた。この結果、オーストラリアは土壇場で35-34の勝利を収め、準決勝に駒を進めている。

 リプレー映像を確認したワールドラグビーは、ペナルティーではなくスクラムとするのが「適切な判定」だったとすると、ジュベール主審の誤りを指摘する異例の発表をした。