【9月4日 AFP】流入する難民への対応が欧州全域で課題となるなか、バイエルン・ミュンヘン(Bayern Munich)が支援プロジェクトへ100万ユーロ(約1億3000万円)を寄付するなど、サッカードイツ・ブンデスリーガの各クラブが、同国へやってくる難民を支援する取り組みを行っている。

 バイエルンは、ミュンヘン(Munich)市当局と連携を取って「トレーニングキャンプ」を設置し、子どもたちにドイツ語の授業や食事、サッカーの用具を提供する予定だという。

 バイエルン(Bavaria)州の州都ミュンヘンは、難民流入の影響をとりわけ強く受けている都市で、2日には地元警察が1時間で100人を超える移民がやって来たと発表した。

 バイエルンはまた、ブンデスリーガ1部の次回のホームゲーム、12日のFCアウクスブルク(FC Augsburg)戦で、難民支援の姿勢の証しとして、選手がドイツの子どもや難民の子どもと手をつないでピッチへ入場すると発表している。

 バイエルンのカール・ハインツ・ルンメニゲ(Karl-Heinz Rummenigge)社長は公式ウェブサイトに、「われわれFCB(バイエルン)は、故郷を離れて苦しい生活を強いられている子どもや女性、男性を助け、ドイツでの生活を支援するという社会的な責任がある」とつづった。

 今年に入ってから、ドイツ警察には12万5000件の不法入国が記録されている。これは2014年の5万7000件の2倍以上の数で、その多くは内戦状態にあるシリア、あるいはエリトリア、アフガニスタン、コソボ、セルビアからの流入者となっている。

 彼らは欧州最大の経済規模を持つドイツを目指しており、2015年の難民申請の件数は、欧州各国で最大かつ過去最多となる80万件にのぼることが予想されている。

 ドイツのサッカーコミュニティーで、難民支援を申し出ているのはバイエルンだけではない。バイエルンの上位争いのライバルであるシャルケ04(Schalke 04)は、今シーズンのホーム開幕戦に難民100人を招待したほか、「クンペル・キステ(Kumpel-Kiste、友達箱)」という構想を立ち上げ、衣服や玩具を難民へ届ける仕組みを作っている。

 シャルケはまた、アフリカ出身選手として初めてドイツ代表に入ったクラブのレジェンド、ゲラルド・アサモア(Gerald Asamoah)氏を中心に、難民支援を訴える動画を作成。アサモア氏はそのなかで、難民の苦境を理解することが大切だと話している。

 シャルケの因縁のライバルであるボルシア・ドルトムント(Borussia Dortmund)も、ヨーロッパリーグ(UEFA Europa League 2015-16)の試合に220人の難民を招待し、「肌の色は違っても、私たちはサッカーでつながっている」とメッセージを発した。

 そのほかのブンデスリーガのクラブも取り組みを始めており、例えばヴェルダー・ブレーメン(Werder Bremen)は、地域の難民を援助する「ボールを離すな」プロジェクトを立ち上げ、またハノーバー96(Hannover 96)と1899ホッフェンハイム(1899 Hoffenheim)も、ウエアやシューズを贈る支援を行っている。(c)AFP