【7月23日 AFP】英ロンドン(London)のストラトフォード治安判事裁判所(Stratford Magistrates Court)は22日、今年2月にフランス・パリ(Paris)の地下鉄で人種差別行為を働いたチェルシー(Chelsea)のサポーターの男5人に対し、5年間のスタジアムでのサッカー観戦禁止などを言い渡した。また、チェルシーは、男らに対し、本拠地スタンフォード・ブリッジ(Stamford Bridge)での生涯観戦禁止処分を下した。

 元警官のリチャード・バークリー(Richard Barklie)被告(50)を含む男らは、欧州チャンピオンズリーグ2014-15(UEFA Champions League 2014-15)のパリ・サンジェルマン(Paris Saint-GermainPSG)対チェルシー戦を前に、地下鉄に乗ろうとするフランス人の黒人男性を何度も押し返した。

 ギャレス・ブランストン(Gareth Branston)判事は法廷で、「忌まわしく、不快で、攻撃的で、高慢で、全くもって受け入れることのできない振る舞いであり、現代の文明社会では許容されない。撲滅されるべきである」と語った。

 判事は、人権団体「World Human Rights Forum」のディレクターを務めるバークリー被告とジョシュア・パーソンズ(Joshua Parsons)被告(20)が被害者のスレイマン・シラ(Souleymane Sylla)氏を車両から押し出すなどの人種差別行為を主導したとし、両被告の「攻撃的で、無秩序な行動」を糾弾した。

 バークリー被告は法廷で、シラ氏を押したことに人種差別的な真意はなく、混み合った車両に無理に乗り込もうとしたと被害者を非難した。

 両被告とウィリアム・シンプソン(William Simpson)被告(26)には、5年間すべてのサッカーの試合の観戦を禁止する判決が言い渡され、人種差別的なチャントに加わったジョーダン・マンデイ(Jordan Munday)被告(20)は3年間の観戦禁止を言い渡された。

 事件に関与したもう一人のディーン・カリス(Dean Callis)被告(32)には、すでに5年間の観戦禁止が言い渡されている。

 チェルシーは判決を受け、この5人に対して西ロンドンにあるホームスタジアムであるスタンフォード・ブリッジでの観戦を生涯禁止すると発表している。

 バークリー被告は判決後、控訴を検討していることを明かしている。(c)AFP