【6月24日 AFP】ビャルネ・リース(Bjarne Riis)氏は、かつて指揮を執っていたチームCSC(Team CSC)で選手間にまん延していたドーピングを認識していたという。23日、デンマークの反ドーピング機関(ADD)が報告した。

 ADDのミカエル・アスク(Michael Ask)会長は、「残念ながら、調査の結果、チームCSCのドーピングは選手個人のみの問題ではありませんでした」とする声明を発表した。

 声明には、リース元監督が「少なくともチームにはびこるドーピングを認識していたものの、間に入ることはできなかった」と記されているが、出訴期限を過ぎているため、ADDが法的手段を取ることはないという。

 50選手からの聞き取り調査を含むこの報告書は、デンマークでも最大級のものになり、1998年から2010年までのおよそ12年間、ドーピングを行っていたことを認めたミカエル・ラスムッセン(Michael Rasmussen、デンマーク)の証言も入っている。

 1996年にツール・ド・フランス(Tour de France)を制したリース氏は、後年に過去のドーピングを告白。1999年の現役引退以降は自転車ロードレースチームの経営に携わり、2013年シーズンを前に、オレグ・ティンコフ(Oleg Tinkov)氏へ当時のチーム・サクソバンク(Team Saxo Bank)を売却した。

 2011年にアルベルト・コンタドール(Alberto Contador、スペイン)を獲得し、チームの布陣をより強固なものにしたリース氏は、今季からペーター・サガン(Peter Sagan、スロバキア)を加入させている。

 それでも、今シーズン序盤の成績不振に業を煮やしたティンコフオーナーは、3月にリース氏を監督職から解任していた。(c)AFP