【6月22日 AFP】シリア中部の古代都市パルミラ(Palmyra)で、イスラム過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」が、国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)の世界遺産(World Heritage)に登録されている遺跡に地雷を敷設し、遺跡破壊の恐れが高まっている。関係当局が21日、発表した。

 シリア文化財博物館総局のマムーン・アブドルカリム(Maamoun Abdelkarim)総局長と英国に拠点を置く非政府組織(NGO)のシリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)は、パルミラのグレコ・ローマン(Greco-Roman)時代の遺跡にISが地雷と爆発物を敷設したと発表した。同監視団によると、敷設は20日に行われた。

 監視団のラミ・アブドル・ラフマン(Rami Abdel Rahman)代表は「その目的が遺跡の爆破なのか、パルミラへの政府軍進攻の阻止なのかは不明だ」と話している。 

 政府軍は過去3日間、パルミラの住宅地域に激しい空爆攻撃をしかけており、少なくとも11人が死亡しているという。AFPの取材に応じた政府関係者によると、パルミラと近辺の主要ガス田の奪還・防御のための攻撃を指揮する司令官が、同地域に派遣されている。(c)AFP