【6月20日 AFP】米国務省は19日、2014年に世界で起きたテロ攻撃がイスラム過激派組織によって急増したことを報告書で発表した。攻撃の件数は1か月に1100件を上回り、死者は前年比で81%増えたという。

 2014年、テロ攻撃は世界の95か国で発生し、その件数は前年比35%増の1万3463件だった。過激派による攻撃の対象の多くはイラク、パキスタン、アフガニスタンだったと、報告書は述べている。

 最も多くの攻撃はイスラム過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」によるもので、ISは、イラクとシリアの都市を制圧していく際に1083件の攻撃を行っていた。ISに次いでテロ攻撃の件数が多かったのはアフガニスタンの旧支配勢力タリバン(Taliban)による894件だった。

 イスラム過激派組織「ボコ・ハラム(Boko Haram)」が北部で勢力を拡大しているナイジェリアでも同様にテロ攻撃の急増がみられ、662件の攻撃で7512人が死亡した。

 報告書はさらに、フランス・パリ(Paris)の風刺週刊紙シャルリー・エブド(Charlie Hebdo)の本社襲撃事件のように、「西側諸国で単独的な過激派」が増えてきていることも強調している。

 また報告書は、イランが核協議に臨みながら、レバノンのイスラム教シーア派(Shiite)原理主義組織ヒズボラ(Hezbollah)やパレスチナ自治区のイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)などへの支援をやめなかったことを指摘。

「イランは世界中のテロ組織の後ろ盾となり続けた」とティナ・カイダナウ(Tina Kaidanow)米国務省テロ対策調査官は述べ、米政府は、イラン革命防衛隊(Revolutionary Guards)「および、その代理人ら」による活動を非常に懸念していると付け加えた。(c)AFP/Jo Biddle