【6月21日 AFP】トルコの半国営アナトリア通信(Anatolia news agency)が20日報じたところによると、内戦の続くシリアからトルコへの入国を試みたイタリア人3人、フランス人1人の報道関係者計4人がトルコ治安部隊に身柄を拘束された。

 同通信によると、4人はシリアのクルド系シリア人の町アインアルアラブ(Ain al-Arab、クルド名:コバニ、Kobane)付近のムルシトピナル(Mursitpinar) 国境で逮捕され、国外退去処分に直面している。仏パリ(Paris)に拠点を置く国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団(Reporters Without BordersRSF)」も4人の逮捕を確認した。

 アナトリア通信によると、イタリア人のうち2人は国営イタリア放送協会(RAI)、フランス人は仏朝刊紙フィガロ(Le Figaro)の記者。

 フィガロの編集者フィリップ・ジェリー氏はAFPの取材に対し、同紙記者のサミュエル・フォレー(Samuel Forey)氏がトルコ国境からシリアに不法入国し、国境の町テルアビヤド(Tal Abyad)をめぐるクルド人部隊とイスラム過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」の戦闘取材を行った後、18日夜トルコ側への越境を試みた際に逮捕されたと話し、同氏が国外退去になることも確認した。フォレー氏はトルコ警察から丁重な扱いを受けており、警察署から記事を送ることも許可されたという。

 クルド人部隊はISとの数日間に及ぶ激しい戦闘後、16日にテルアビヤド全域を掌握。同地域から2万3000人以上の難民が戦火を逃れて隣国トルコに避難した。(c)AFP