【5月25日 AFP】全仏オープンテニス(French Open 2015)は24日、男子シングルス1回戦が行われ、大会第2シードのロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)は6-3、6-3、6-4で「ラッキールーザー」のアレハンドロ・ファリャ(Alejandro Falla、コロンビア)を退けたものの、コートにファンが侵入した事態について苦言を呈した。

 2009年大会覇者で、四大大会(グランドスラム)で62大会連続の本戦出場を果たしているフェデラーは、ファリャとの対戦成績を8勝0敗とし、次戦ではマルセル・グラノリェルス(Marcel Granollers、スペイン)と対戦する。

 1時間50分の試合で43本のウイナーを打ち込んだフェデラーは、ストレートで初戦突破を決めたが、「セルフィー(自分撮り)」のためにファンが警備員の間を抜けてコートに侵入した状況を危惧しているようだった。

 問題のファンは、フェデラーにたどり着く前に警備員によって取り押さえられたが、フェデラーは「不愉快だ。昨日の練習中にも同じことがあった。昨日は子どもだったけど、後でもう3人入ってきた。そして今日は、誰も入ってこられないはずのセンターコートに侵入し、何もなかった」とコメントした。

「何らかの策をすぐに講じなければならない。普段は自分のために話すけど、今回は全選手のために発言している。ここは僕らの仕事場で、安全を確保したい場所なんだ」

「だから本当に不愉快だ…あまり経験したくない状況だね」

 フェデラーは、2009年にもローラン・ギャロス・スタジアム(Stade Roland Garros)で似たような経験をしており、センターコートに侵入したファンが、フェデラーに帽子をかぶせようとする事件があった。

 また、ラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)がプレーしていた2年前の決勝では、発炎筒を手にした観客がコートに乱入する騒ぎがあった。

 大会のディレクターは、フェデラーが「腹を立てる」のも無理はないとしており、コート横のスポンサー席に座っていた問題の青年には、出入り禁止処分が科された。

 同ディレクターは、「恥ずべきことだ。間違いを犯したことは明らかで、われわれは二度とこのような事態が起こらないように善処する」と述べている。(c)AFP/Dave JAMES