【6月30日 AFP】サッカーW杯南アフリカ大会(2010 World Cup)で戦犯扱いされたブラジル代表のGKジュリオ・セザール(Julio Cesar)だが、チリとのPK戦を3-2で制した28日のW杯ブラジル大会(2014 World Cup)決勝トーナメント1回戦ではPKを2本セーブし、ブラジル国民の救世主となって4年前の汚名を返上した。

 34歳の守護神は、チリとのPK戦でマウリシオ・ピニージャ(Mauricio Pinilla)とアレクシス・サンチェス(Alexis Sanchez)のシュートをセーブし、準々決勝進出の立役者となった。

 PK戦を迎える前にもセザールは、後半にチャルレス・アランギス(Charles Aranguiz)のシュートをスーパーセーブで阻止し、チリに勝ち越しを許さなかった。

 セザールの活躍により、ブラジルは1990年イタリア大会以来となる決勝トーナメント1回戦敗退を免れ、本拠地での対チリ戦の無敗記録を27に伸ばした。

 マン・オブ・ザ・マッチを獲得した試合後にセザールは、「夢があるのであれば追わなければならないということを、この試合が証明している」と語った。

 試合会場のミネイロン(Estadio Mineirao)で大喝采を受けたジュリオ・セザールの名前は、29日のブラジルの朝刊の一面を独占し、「われわれの王様」、ブラジルの「救世主」と称賛された。

 PK戦に入る前に涙を流したことについて、セザールは「チームメートが私のところに来てサポートしてくれて、前向きな言葉をくれたので泣いてしまった。感情を抑えることができなかった」と明かしている。