4年前の評価を一変させたブラジルの守護神ジュリオ・セザール
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■南アフリカ大会後に味わった冷遇
オランダと対戦した南アフリカ大会の準々決勝で、セザールはウェズレイ・スナイデル(Wesley Sneijder)のクロスの目測を誤り、敗退のきっかけを作ったことで批判されていたが、今回は4年前とまったく逆の状況となった。
セザールは、「私が招集されたとき、多くの疑問があった」と語っている。
「身体的にも精神的にもしっかり準備をしていた。私を信頼してくれたスタッフとチームメートに感謝したい」
「戦犯の烙印が押された南アフリカ大会から立ち直ることは難しかったが、いつも彼らの後押しを感じていた」
「これまでのキャリアでいくつか素晴らしい歓喜の瞬間を経験してきたが、今回は2010年以降でもっとも特別なものだ」
南アフリカ大会の前、セザールは当時ジョゼ・モウリーニョ(Jose Mourinho)監督が指揮を執っていたインテル(Inter Milan)で、国内タイトル2冠と欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League)制覇を成し遂げるなど絶頂期にあったが、その後はクラブレベルでのキャリアは下降線をたどった。
インテルから移籍したクイーンズ・パーク・レンジャーズ(Queens Park Rangers、QPR)では冷遇され、GKグローブを自分で購入し、コンディションを維持するために地域の公園で練習を行わなければならない状況に追いやられた。
そして米メジャーリーグサッカー(MLS)のトロントFC(Toronto FC)では7試合の出場にとどまったが、ブラジル代表のルイス・フェリペ・スコラーリ(Luiz Felipe Scolari)監督は、2013年に行われたコンフェデレーションズカップ(Confederations Cup 2013)で守護神に据えると、セザールはブラジルが優勝したこの大会で最優秀GKに輝いた。
サッカー王国2億人の最大の関心事である自国開催のW杯で、コンフェデレーションズカップでみせた活躍の再現を狙うジュリオ・セザールは28日、「プロとして自分のキャリアにはとても満足している。あと必要なのはW杯のトロフィーを掲げてキスすること」とコメントした。(c)AFP/Andy SCOTT