■低下したGKの水準

 ブラジル大会ではすでに素晴らしいゴールを目撃している。

 ファン・ペルシーがスペイン戦で決めたヘディングによるループシュートや、オーストラリアのティム・ケーヒル(Tim Cahill)がオランダ戦で決めた鮮やかなボレー、ボスニア・ヘルツェゴビナ戦でアルゼンチン代表リオネル・メッシ(Lionel Messi)が1人でゴール前に持ち込んで決めたシュートなどだ。

 これに比べ、今大会のゴールキーパーの水準は決して良いとはいえない。スペインのGKイケル・カシージャス(Iker Casillas)は、オランダ戦で2度の痛いミスを犯し、ロシアのイゴール・アキンフェエフ(Igor Akinfeev)、オーストラリアのマシュー・ライアン(Mathew Ryan)も大失態を演じた。

 優勝候補のいくつかはGKに問題を抱えている。

 ブラジルのジュリオ・セザール(Julio Cesar)、アルゼンチンのセルヒオ・ロメロ(Sergio Romero)はともに試合勘が不足しており、イタリアのジャンルイジ・ブッフォン(Gianluigi Buffon)は負傷のため開幕戦を欠場していた。

 こうした事情もあり、今大会はGKにとって忘れたくなる展開が増えている。