姦通罪ある韓国に不倫用出会い系サイト誕生
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【4月14日 AFP】姦通罪が存在し、不倫をした場合には最高2年の刑が科されうる韓国で、外資系の不倫用出会い系サイトが開設された。
「人生一度。不倫をしましょう」との宣伝文句を掲げ、35か国、2500万人以上の会員を擁する「アシュレイ・マディソン(Ashley Madison)」が先月、カナダを拠点とするこのサイトの韓国版を立ち上げると、1週間で4万6000人の会員が集まった。ノエル・ビダーマン(Noel Biderman)最高経営責任者(CEO)によると、目標とする会員数は、韓国人口の1%に当たる50万人前後だという。
「アシュレイ・マディソン」のウェブサイトはアジアで新参というわけではなく、日本やインド、香港などでは既に開設されているが、韓国では1953年に制定された不倫を違法と定める法律が壁となってきた。ビダーマン氏は、この法律を「救いがたいほど時代遅れ」のものだと考えているが、韓国での開設記念式には出席しないようにという弁護士のアドバイスに従った。
AFPの電話インタービューでビダーマン氏は、自社のサイトはあらゆる社会的、地理的境界線を越える普遍的な活動を単に容易にしているに過ぎないと主張し、「不倫は世界中のあらゆる文化に存在しているのと同じように、アジアの文化の中にも存在する」と述べた。しかしそれを理由に、アジア諸国の全ての政府が同サイトを歓迎するわけではない。
シンガポールのメディア開発庁(Media Development Authority、MDA)は昨年11月、「わが国の家族観と公共道徳」が攻撃されたとして、同サイトの運営を禁止した。
シンガポールと同様、近代化が進んでいるとはいえ社会的には保守色が強い韓国は、インターネットに関して特にその傾向が強まる。昨年には、委員の大部分を政府が選出する韓国放送通信審議委員会(Korea Communications Standards Commission、KCSC)の要請により、インターネット上の約2万3000ページが削除され、6万3000ページが遮断された。主な対象は、ポルノ、売春、ギャンブル関連のサイトだ。